移住当初
7年ほど前、東京から富山市に移住した。
ちょうど、世界がコロナ禍に覆われる少し前の話だ。
富山は全国でも感染者の確認が遅く、当初は変わらない日常があったけれど、ほどなくして自粛生活が始まった。
目の前にスーパーがあるマンションだったので、家とスーパーを往復するだけの日々。
並ぶ飲食店も全国チェーンが多く、人口密度は低いけど、生活自体は東京とあまり変わらないかもしれないなぁ。と、思いながら過ごしていた。
転機が訪れたのは、それから2年後。
海にも山にも、富山市の中心部にも車で20分ほどで行ける町、立山町へ引っ越すことになったのだ。
あれから5年。
娘が生まれたこともあり、私たちのライフスタイルは劇的に変化した。
生活の変化
以前はコンビニや、なんとなくの買い物で消費していたお金。
今は「平日にお金を使わないこと」が、まったく苦ではなくなった。
なぜなら、週末に「最高の楽しみ」が待っているからだ。
ご近所の方々に頂いたネギやシイタケを焼く。
いつもはスーパーのお肉だけど、たまに少しの立山牛で贅沢を添えて。
毎回炭火を起こすのは大変だから、小さなガスコンロでこじんまりと。
そんな庭での食事が、何よりの馳走になる。
不思議と、普段は偏食の激しい娘もこの時ばかりはよく食べるのだ。
そして、庭から立山連峰を眺めながら食べる食事の美味しいこと。
「見飽きるほど見たから興味がない」と笑う地元の人たちもいるけれど、私はまだまだこの美しさに慣れそうにない。
写真では伝えきれないけれど、この絶景が自宅の庭から見える。
これ以上の贅沢があるだろうか。
お恵み
大きなしいたけ、みずみずしいキュウリ、トマト、茄子。
ここでは、ご近所さんたちから食材を頂くことが年に何度もある。
先日も、花束のように抱えきれないほどの大量のネギや、玄関先にとても大きなサツマイモを届けてくださった。
ネギはすでにアヒージョやBBQで平らげてしまったけれど、特大のサツマイモはまだ残っていた。
半分以上は娘のおやつのスイートポテトに変え、残りはサツマイモご飯と大学芋に。
甘くてほくほくで、非常に美味しい。
インフレで食材高騰の最中、これぞまさに天からのお恵みだと感じる。
田舎暮らしの不便さと、それ以上の価値
もちろん、田舎暮らしには不便なことも多い。
けれど、この生活が心の余裕と、家計の健全化をもたらしてくれたことは間違いない。
田舎は時間の流れがゆったりしている。よく聞くその言葉は、たぶん時間の進み方が違うのではなく、こういう心の余裕がもたらす感覚の副産物なのだろう。